【大人の愛着障害】不安型,回避型の恋愛観の違いとは?恋愛関係の安定に必要なこと
「気がつけば恋人に振り回されている」
「大好きなのに心から信頼できない……」
不安な気持ちを抱えて恋愛をするのは、つらいですよね。
大好きな恋人といるときには幸せな気分でいたいものです。
あなたが恋愛に感じている不安感は、愛着障害が原因かもしれません。
そこで今回は恋愛と愛着障害の関係について解説します。

1.愛着とは
愛着とは「特定の人との情緒的な絆」のことをいいます。
親子関係からスタートする愛着ですが、実は恋人やパートナーとの間にも愛着は形成されます。
自分の恋人から受ける愛着の影響は、なんと親から受ける影響と匹敵するか、それ以上になるといいますから驚きです。
恋愛と愛着は、切っても切り離せない関係にあるのです。
ですが親子間で愛着が形成されず、愛着の基盤が揺らいでいると、恋愛関係での愛着形成にも問題が生じることがあります。
不安定な愛着はその人の恋愛観にも大きく影響し、それは恋人との関係性にも関わってきます。
2.不安定型の愛着タイプ
不安定な愛着は二つのタイプに分けられます。
親密な関係なのにも関わらず不安になり、より依存的な関係を求めてしまう「愛着不安」が強いタイプと、親密な関係を避ける「愛着回避」が強いタイプです。
両者は正反対の印象を持ちますが、どちらも幼い頃に受けた愛着の傷が根底にあります。
3.愛着不安タイプの恋愛
過剰に人の顔色を伺い、少しでも相手の反応が悪いと嫌われるのではないかと不安になる人は、愛着不安が強いタイプです。
このタイプの人は見捨てられ不安が強く、行動基準が自分ではなく恋人にあるので、いつも恋人の顔色を窺って行動します。
その根幹には「自分は愛されない存在だ」という考えがあります。
自信がないので自分の価値を自分で保証できず、それが依存心となって確認行動にあらわれます。
相手から自分が必要とされていることを確かめ続けて心のバランスをとるのです。
依存し依存されるという一方的な関係になりがちで、そのため知らず知らずのうちに上下関係ができてしまい、それが溝となって良好だった関係を壊してしまうこともあります。
反対に支配的なタイプの人は「自分を裏切るのではないか」と疑い、束縛を繰り返します。
加えて「0か100か」という極端な思考を持っているので、目的のために協力し合う関係と親密な関係との使い分けが難しく、どちらかに偏りがちになってしまいます。
ただの協力関係を恋愛と錯覚してしまいやすく、同時に「誰かに認めてもらいたい」という承認欲求が強いため、すぐに恋愛スイッチが入ってしまいます。
「優しくされるとすぐに好きになってしまう」という人は、このタイプの人に多くみられます。
愛着不安が強い人は、愛情を溜めておく器に穴が空いている状態なので、いくら愛情を注がれても満足できず、むしろ不安が強まります。
そのため「恋人が何もしてくれない」という思いを抱えやすく、そのストレスを相手にぶつけてしまいがちです。
このように不安定な愛着は本人だけでなく、その人の恋人にもストレスを抱えさせてしまうことがあります。

4.愛着回避と恋愛
依存性が強い愛着不安とは反対に、愛着回避の人は何に対しても醒めている人です。
縛られないことが何よりも大切で、ドライであることで自分を守ります。
恋愛に対してもそのような特徴が反映されます。
愛着回避が強い人は、恋人が困っているときでも気遣ったり共感したりすることがあまりありません。
このタイプの人にとって頼られることは面倒なことであり、面倒ごとを持ち込まれることは怒りに通じます。
ですがそれは性格の問題ではなく、愛着の傷によって共感を司る脳の領域の発達が妨げられているからです。
このように、愛着の傷は脳にまで強い影響を及ぼします。

5.愛着の傷による恋愛不全から抜け出すには
恋愛とその人が持つ愛着スタイルは深く関係し、相関しています。
それは愛着スタイルが人間関係の土台であり、人との関わり方の基本的なパターンだからです。
愛着の傷が安定した恋愛を妨げている場合、愛着スタイルにアプローチしなければ解決は難しいでしょう。
ですがそういった恋愛観を自覚するのは、本人の努力だけでは難しい場合が殆どです。
愛着に傷を抱えたまま自分と向かい合うことで、精神的に悪化してしまう可能性もあります。
精神が不安定になる場合、寄り添ってくれる第三者の力が必要です。
恋人がその役割を担ってもいいですが、恋人との関係が不安定な場合や、恋人に依存してしまっている場合は、別の人にお願いした方がいいでしょう。
信頼できる第三者の助けを借りながら自分の内面を見つめ直すことは、安定した愛着への近道となります。
そして愛着の安定は、そのまま安定した恋愛関係へと繋がっていくのです。
愛着が再構築されていくと、恋愛の不全感は徐々に解消され始め、恋人との関係も安心の上に成り立つものへと変化していきます。愛着が安定することで、不安にとらわれた恋愛からも脱却することができるのです。
4月先着3名様
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。