強迫性障害の巻き込み型とは?家族のサポートについて

頭から離れない不安や恐怖心を振り払おうと、何度も同じ行動を繰り返す強迫性障害。
「発症当時は自分自身で強迫行為を繰り返していたけど、徐々に周囲の人にも強迫行為を求めるようになった」という方は少なくありません。
このように周囲の人を強迫行為で巻き込んでいると、人間関係にも支障をきたすようになるでしょう。
そこで今回は、巻き込み型強迫性障害の治療や家族のサポートについて、お伝えしていきます。
自分自身が家族を巻き込んでいるという方も、家族が強迫性障害を抱えていて巻き込まれているという方も、ぜひ参考にご覧ください。
目次
強迫性障害の「巻き込み型」とは
強迫性障害には、頭から離れない不安を取り除こうと、自分で確認や手洗いなどの強迫行為を繰り返す「自己完結型」と、周囲の人に強迫行為を依頼・強要する「巻き込み型」があります。
後者の巻き込み型は、強迫性障害を抱える多くの方に見られる症状ではありますが、一般的に重症です。
強迫性障害はどのように巻き込む?
巻き込み型は、自分の中の不安や恐怖心を解消するため、周囲の人にさまざまなことを依頼・強要します。
具体的には、下記のような巻き込みがあげられます。
【保証の要求】
・家のカギを閉めたときに、家族に「大丈夫だよね」と保証を求める。
・書類のチェック後、同僚に「これでいいよね?」と確認する。
【強迫行為の強要】
・自宅に入るときは、着替えや入浴をしないといけないと家族に強要する。
・家事をするときは、自分のこだわりの手順で進めさせる。
【強迫行為の代行】
・自分の代わりにカギ閉めの確認を家族にさせる。
・同僚に書類のチェックをさせ、その場面を監視する。
巻き込み型は家庭の崩壊にもつながる

症状が重くなると強迫行為の代行や強要で職場の人や家族を巻き込み、自分の不安を解消しようとするため、周囲の人は疲弊してしまいます。
特に家族は一緒に過ごす時間も多く、ときには巻き込みによって睡眠時間や自由時間を奪われてしまうこともあるでしょう。
そういった日々が続いていると、家族にかなりのストレスがかかり、最悪の場合家庭の崩壊にまで発展する可能性もあります。
他者を巻き込んでの強迫行為は、症状を改善させるためにも、やめなければならない行為です。
強迫性障害を抱える方の家族の中には、「不安を減らしてあげよう」と治療のために協力しているつもりで、強迫行為の代行をしていることもあります。
しかし、そういった行動が、実は症状の悪化を助長している可能性もあるのです。
巻き込み型強迫性障害の治療
巻き込み型の強迫性障害を改善するためには、強迫行為の代行・強要を求められても周囲の人が“対応しない”ことが大切です。
しかし、家族への巻き込みが習慣になっている場合は、家族も断ることが難しくなります。
断っても家族にきつく当たる、対応するまで執拗に強要するなどの行動にでることもあるでしょう。
また、断り方によっては、家族から突き放されたと感じてしまい、症状が悪化する可能性も考えられます。
そういった状況を避けるためにも、家族だけで解決しようとするのではなく、まず専門家に相談してみてください。
認知行動療法や薬物療法、精神療法など、個人に合った治療方法で症状を改善していきましょう。
家族のサポートが強迫性障害の症状の改善につながる
強迫性障害の治療は、専門家に頼ることが重要ですが、家族のサポートも同じくらい必要なものです。
つまり、家族の関わり方によって、症状は良くも悪くもなります。
たとえば、戸締りが不安で電話をかけてくるとき、「大丈夫だよ、閉まっているよ。」と対応したり、「自分でどうにかしなさい!」と怒ったりすると症状の悪化につながるでしょう。
一方で「不安でかけてくれたんだね。治療のために、確認は一緒にできないけど応援しているよ。」と寄り添いながら見守っている気持ちを伝えることで、症状が改善されるケースもあります。
そういった一言が強迫性障害と立ち向かう心の支えとなるため、家族一人ひとりが思いやりを持って接することが大切です。
強迫行為の手伝いを断るときの言葉は、慎重に選ぶ必要があるため、悩んだときにはぜひ医師やカウンセラーに相談してください。
巻き込み型の症状に気がついたら専門機関へ
強迫性障害を抱えている方の中には、気づかないうちに周囲の人を巻き込んでいる人もいます。
保証の要求や強迫行為の代行、強要をすると、自分の不安は一時的に解消できても、周囲の人は疲弊してしまうでしょう。
強迫性障害の症状を改善し、良好な人間関係を保つためには、適切な治療を早めに開始することが大切です。
当カウンセリングルームでは、強迫性障害の方を対象としたカウンセリングを実施しております。
カウンセリングを通して「巻き込みをやめる」だけではなく、“あなたらしい人生を手に入れる”ことを目指していきましょう。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。