強迫性障害は一生治らない?治療方法と再発の予防

強迫性障害と長く付き合っていると「一生治らないのではないか」と考えることもあるかと思います。
治療を続けることが大切だとはわかっていても、治療期間が長くなると不安になりますよね。
強迫性障害は“一生治らない病気”ではありませんが、治すためには適切な治療を受けること、症状が改善してからの再発予防をすることが大切です。
そこで今回は、強迫性障害の主な治療方法と再発の予防について解説していきます。
「症状のことを専門家に相談した方がよいのかな?」と悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
強迫性障害は一生治らない病気?
病気を抱えることになると、気持ちがネガティブになってしまい、「もうこのまま一生治らないのではないか…」と考える方もいらっしゃるかと思います。
しかし、強迫性障害は、発症した人すべてが“一生治らない”というわけではありません。
適切な治療を受ければ症状を改善できる可能性がある病気ですので、「もう治らない」とふさぎ込む必要はないのです。
ただし、中には症状が重く、なかなか改善できない方もいれば、治ったと思ったらすぐに再発してしまう方もいます。
強迫性障害の主な治療方法
強迫性障害の治療は、主に次の2つを組み合わせると効果的だと言われています。
認知行動療法
物事の見方を変えて、心のストレスを軽減させていく認知行動療法。
中でも「曝露反応妨害法」は、強迫性障害に有効で再発予防の効果も高いと言われている技法です。
この方法では、自ら不安な状況に立ち向かい、強迫行為を我慢することで、不安が少なくなるのを待ちます。
確認行為がやめられない方であれば、「ガス栓のチェックは1回まで」と確認回数を減らすというように、一人ひとりの状態に合わせて不安を減らしていくのです。
こういった体験を繰り返すうちに症状を徐々に改善させ、最終的には強迫行為をせずに済む生活を目指します。
薬物療法
強迫性障害を発症すると多くの方は、強迫症状に加えて抑うつや不安を有するため、薬物療法では第一選択の抗うつ薬「SSRI(セロトニン再取り込み妨害薬)」が使われます。
SSRIは即効性のある薬ではないので、有効用量を飲み始めてもすぐには効果が現れません。
早ければ2~3週間で症状が軽減されることもありますが、さらに何週間も経ってから反応がでる人もいます。
強迫性障害は早めに治療を受けることが大切

強迫性障害は治らないものではなく、適切な治療で改善できる病気です。
しかし、治療を受けるのが遅くなると、完治が難しくなることもあります。
病気を放置していたことで症状が重くなったり、うつ病やパニック障害など他の病気を併発したりすると、その分治療にも時間を要します。
早めに治療を始めれば、回復も早いと言われているため、「強迫性障害かもしれない」と感じた時点で専門機関に相談してみましょう。
強迫性障害の再発を予防するためには
強迫性障害の治療を受け、症状が軽減してきた方にとって不安なことは“再発”ではないでしょうか。
時間をかけて日常生活を送れるようになったのにもかかわらず、また強迫性障害を発症するのはとてもつらいことです。
ここでは再発を予防するために大切なことをお伝えしていきます。
自己判断で治療を中止しない
強迫性障害は一度治った後も、再発の可能性がある病気です。
症状が良くなってきたからといって、自己判断で通院をやめたり、服薬を中止したりすると再発のリスクが高まります。
医師やカウンセラーの指示・アドバイスを守り、治療していくことが大切です。
強迫行為を習慣として残さない
強迫性障害は、日常生活で行われる「カギ閉めの確認」「手洗い」などがエスカレートしていくものなので、その行動が“正常”なのか“症状”なのか判断することが難しくなってしまいます。
そのため、治療を受けて症状が改善された人の中に、強迫行為を習慣の一部として残してしまう人も多いのです。
習慣になった強迫行為が残っていると、ふとした瞬間に再発のきっかけとなります。
「自分の確認行為はなくせたけど、周囲の人を巻き込んだ確認行為は残っている」「強迫観念を落ち着かせるために、家族に強制しているルールがある」などに当てはまる方は要注意です。
強迫性障害は“一生治らない病気”ではない
強迫性障害は適切な治療を受ければ、症状が改善する可能性のある病気です。
そのため、発症した後も「一生治らない」と諦める必要はありません。
「治療を続ければ生きづらさが改善される」と考えて、認知行動療法や薬物療法を続けていくことが大切です。
また、中には治療を続けていても、なかなか症状が改善されない方もいますが、症状が残っているからといって社会生活を送れないわけではありません。
さまざまな治療を受けていく中で適切な方法を見つけること、根気強く強迫性障害に向き合っていくことで、あなたらしい人生を手に入れましょう。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。