愛着障害を乗り越えるには? おすすめの改善方法について紹介
愛着障害は、誰にでも起こり得る問題です。
不安定な愛着は慢性的な不安や情緒不安定を引き起こし、自己否定や対人不安を抱かせます。
愛着は安心感となってその人を守る、人生の土台のようなものです。
人生に幸せを感じられない人は、もしかしたら愛着に揺らぎがあるのかもしれません。
自分の愛着が不安定だと気づいたとき、どうすればよいのでしょうか。
ここでは愛着障害と、愛着障害を克服するための方法を解説します。

1.愛着と安全基地
愛着とは、特定の人との特別な結びつきのことを指す言葉です。
愛着は通常、母親との間に形成され、子どもの安心感や信頼感といった感覚を育みます。
母子の間を行き来するこのポジティブな感覚が絆となり、愛着となってその人の中に形作られていきます。
愛着が発達していくにつれ、親がそばにいなくても安心して活動できるようになっていきますが、これが愛着の持つ「安全基地」という機能です。
安全基地にはその人を恐怖や不安から守ってくれる働きがあり、この機能があるからこそ人は積極的に外の世界を探検し、自分の課題にチャレンジすることができるようになります。

2.愛着が不安定になる理由
では、なぜ愛着は不安定になってしまうのでしょうか。
その原因は、未発達な安全基地にあります。
幼い頃に親から十分なスキンシップを得られなかったり、不適切な関わりがあったりすると、愛着がうまく形成されません。
生きるために必要な安心感を得ることができず、結果として愛着が不安定になってしまうのです。
愛着障害の原因は不安定な愛着ですので、克服するには愛着の基盤である安全基地を築き、もう一度愛着を形成し直す必要があります。
3.愛着を安定させるには
愛着を安定させるには、心の拠り所となる安全基地の役割を担ってくれる人を介すことが効果的です。
そうすることで愛着は安定し始め、徐々に自分の課題に向き合うことができるようになっていきます。
安全基地は恋人や友人など身近な人でもよいのですが、できれば専門家に頼るのをおすすめします。
身近な人でも、信頼できる人であれば大丈夫です。
愛着の安定には「自分は他人から受け入れられる存在だ」と思えることが大切です。
そのためには、他者から無条件に受け入れられるという体験が重要になってきます。
信頼できる第三者と信頼関係を築き、受け入れられる経験をすることで愛着の傷は回復していくのです。

4.愛着を克服するために
愛着を安定させるためにできることは、第三者との信頼関係を築くだけではありません。
愛着の傷を克服するための具体的な方法をいくつか挙げますので、ぜひ実践してみてください。
一つは嫌な記憶を思い出し、その時の気持ちをありのままに語ることです。
辛い作業ですが、ここを乗り越えるとネガティブな出来事の良い面も悪い面も受け止められるようになっていきます。
話を聞いてくれる人がいないときは、日記を書くことも効果的です。
想いを吐き出す気持ちよさを得ながら、自分を客観視する練習にもなります。

社会的、職業的な役割を果たすことも大切です。自分の役割を全うしているうちに周囲との関係が安定し、徐々に気持ちも穏やかになっていきます。
ですので、自分のできそうなことや得意なことにはどんどん挑戦してみてください。
小さなことでも自分なりの役割を果たしていくことで、自己有用感が回復していくのも良い結果につながります。
「誰かの役に立てる」という想いは、愛着の傷の修復に大きな進歩をもたらすのです。
その気持ちは否定的認知の緩和にも働きかけ、その人の愛着を安定させていきます。
自分の役割として、誰かを助けたり世話をしたりすることを設定するのもいいでしょう。
ペットの世話をしたり後輩の面倒をみたりするなど、他の存在に愛情を与えることは愛着を活性化させます。
「誰かの役に立つ」という生き方自体が、その人の安全基地になり得るのです。
愛着障害の特徴に「0か100か」という極端な思考がありますが、この二分的な考え方を和らげていくのも大切です。
具体的には、日常的に物事の「いいところ探し」をしてみてください。
「出来事にはすべて良い面と悪い面がある」という統合的な考え方をすることで、否定的な認知を脱し、許せない存在や過去と距離をとることができるようになります。

3.愛着障害を乗り越えるために
愛着障害を乗り越えるには安全基地が必要です。
親の代わりに拠り所となってくれる第三者と信頼関係を築くことで、不安定だった愛着は安定していきます。
そして誰かの役に立とうとする生き方は、その人の中に安全基地を育んでいきます。
愛着障害はその人の心が助けを求めるサインです。
症状の改善が重要視されがちですが、その原因は愛着の不安定さにあります。
原因に向き合い、しっかりとアプローチしていくことで愛着は安定し、やがて症状も改善していきます。
一人で自分の傷と向き合うのは容易ではありません。
ですが、一人で頑張らなくていいのです。
誰かに助けを求めることは、愛着障害を乗り越えるための第一歩です。
4月先着3名様
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。