強迫性障害は不安に慣れることが大切!考え方を変えて症状の改善へ

強迫性障害とは、強い不安や恐怖心が頭から離れず、何度も同じ行動を繰り返す病気のこと。
自分でもおかしいと思っていても辞められないため、日常生活でつらい思いをしている方も多いでしょう。
そんな強迫性障害の症状を改善するためには、安心感を得ることよりも“不安に慣れる”ことが大切です。
目次
強迫性障害はさまざまな不安に悩まされる
強迫性障害には、「強迫観念」と「強迫行為」という2つの症状があります。
強迫観念とは、本人の意思に反して頭から離れない不安や恐怖心のことで、自分でも不合理だと思っていても払いのけることができません。
強迫行為は、その強い不安や恐怖心をどうにか解消しようと、同じ行動を何度も繰り返すことを言います。
【代表的な強迫観念と強迫行為】

- 不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌に過度な恐怖心を抱き、何度も手洗いや入浴を繰り返す。
- 加害恐怖
「人に危害を加えたのではないか」と不安で、事故や事件を起こしていないかと周囲の人に確認する。
- 確認行為
カギやガス栓を閉めたことを何度も繰り返し確認する。
- 儀式行為
自分で決めた手順で物事を進めないと、恐ろしいことが起こると考えて、どんなときでも同じやり方にこだわる。
- 数字へのこだわり
自分の中のラッキーナンバーに異常なこだわりを持つ。不吉な番号を過度に嫌がる。
- 物の配置、対称性へのこだわり
周囲の物が対称に置かれていないと不安で、強いこだわりを持つ。
強迫性障害を発症すると、上記のようにさまざまな不安・恐怖心に襲われます。
そして、その不安をどうにか払拭しようと、同じ行動を何度も繰り返すため、本人も周囲の人も疲弊してしまうのです。
【強迫性障害】強迫行為を繰り返す理由

強迫性障害になると、日常生活で生まれるさまざまな不安や恐怖心をなんとか払拭しようと、同じ行動を繰り返します。
しかし、不安を解消するための強迫行為を繰り返していても、安心感を得られるのはその瞬間だけです。
時間が経つとまた強い不安に襲われるので、強迫行為をやめられなくなってしまいます。
そして、この強迫観念と強迫行為を繰り返していると、症状がさらに悪化していくため、「辞めようと思ってもどうしても辞められない」という状態に陥るのです。
強迫性障害は不安に慣れることが大切
強迫性障害の症状を改善させるためには、実は“不安に慣れること”が必要です。
「こうしないと不安が強まる」という実体験から強迫行為を何度も繰り返しますが、その対処ではますます恐怖心や不安が強くなってしまいます。
その不安から逃れようとせず、あえて立ち向かうことで強迫観念に慣れていくと、強迫行為をしなくても落ち着いて過ごせるようになるのです。
これは、認知行動療法の「曝露反応妨害法」という治療法で、強迫性障害に効果的だと言われています。
【曝露反応妨害の一例】
- 曝露:不安を感じるカギ閉めを行う
- 反応妨害:カギ閉めの確認をできるだけしない
上記は一例ではありますが、つらい状況に自ら立ち向かっていると、強迫行為をしなくても徐々に不安感が下がることを体験できます。
課題を少しずつクリアしていくことで自信を持てるようになり、生活もしやすくなっていくのです。
強迫性障害の不安を乗り越えるために必要なこと

強い不安や恐怖心でつらい思いをする強迫性障害。
そんな不安を乗り越えるために大切なことを理解し、強迫性障害を克服していきましょう。
- 「安心」を求めないこと
強迫性障害に悩んでいる人の中には、「どうしたら強迫行為をせずに安心感を得られるのか」ということに目を向けてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、強迫性障害の治療で大切なのは“安心を求めないこと”です。
「強迫行為をしなくても問題がなかったことに安心する」という状態を目指していると、結局安心を求めていることになるため、別の不安が出てきたときに落ち着けなくなります。
「不安だけど問題ないだろう」「まぁ大丈夫なはず」というように、心の中にある不安に慣れていくことが強迫性障害の改善に必要なのです。
- 適切な治療を受けること
強迫性障害を抱える方の中には、自身の症状について「できれば自分で治したい」「人に相談するのがこわい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、強迫性障害は早めに治療を始めることで、症状が改善されやすい病気です。
自己判断で症状を放置すると、病気が治りにくくなってしまう可能性があります。
できるだけ早めに適切な治療を受けて、強迫性障害による症状を改善させていきましょう。
また、「医療機関に行くのはなんとなく不安」と感じる方は、まずはオンラインカウンセリングで専門家に相談してみるのもひとつの手段です。
一歩勇気を出して、強迫性障害による悩みを伝えてみてください。
強迫性障害の不安に慣れていこう
強迫性障害を克服するためには、強い不安を打ち消そうとしたり、安心感を得ようとしたりするのではなく、不安や恐怖心に慣れることが大切です。
強迫行為で安心できるのは一時的なものであり、時間が経つとまた強い不安に襲われてしまいます。
ひとりで強迫性障害の不安に慣れようとするのは難しいことでもあるため、ぜひ一度専門家に助けを求めてみてください。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。