大人の愛着障害で抱えがちな寂しい気持ち。コントロールする方法は?
寂しい気持ちは、誰もが感じるものです。友だちと別れるときに寂しいと思ったり、ふと1人が寂しいと感じたりする経験は、誰しもあるでしょう。
しかし、寂しい気持ちがずっと続いて消えないのは、辛いことですよね。もしかしたら、消えない寂しさの原因は、大人の愛着障害にあるかもしれません。
そこで今回は、大人の愛着障害で抱えがちな寂しい気持ちについて、抱えてしまう理由やコントロールする方法について解説します。寂しい気持ちに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
大人の愛着障害が寂しい気持ちを抱えやすい理由

愛着障害の「愛着」とは、母親など身近な人と情緒的に結ばれた絆や関係のことです。
大人の愛着障害は、幼少期に愛着がうまく形成されなかったことが原因で、大人になってからも人と上手に関わることができず、仕事や恋愛など人間関係で問題を抱えてしまう状態のことを言います。
愛着障害の症状で悩んでいる方のなかには、大人になってから自分が愛着障害だと気付いた方や愛着障害だと分からないまま生きづらさに悩んでいる方もたくさんいます。
大人の愛着障害が寂しい気持ちを抱えやすいのは、愛着障害ゆえにパートナーや友人とどう接すればいいか分からなかったり、自分が愛されているか自信が持てなかったりし、信頼し安心できる人間関係を築きにくい場合があるからです。
その原因が愛着障害にあることが分からないと、「なぜ私は上手に人付き合いできないんだろう?」「いい恋愛ができないんだろう?」といった悩みを抱え、自分を責めてしまったり人付き合いに対して消極的になったりし、寂しさを抱えてしまいます。
また大人の愛着障害では、特定の人との愛着形成の経験がないゆえに、「人に愛されたい」「認められたい」という願望が強く、愛情を欲しているという特徴もあります。
そのため、「人とつながりたい」「愛情が欲しい」と強く願いながらも、深い関係を築けないという葛藤や悩みが生じ、さらに寂しさを抱えてしまいます。
寂しい気持ちからしてしまいがちな行動

人とつながりたいのに、人とうまく関われないってどういうこと?と思われるかもしれません。
大人の愛着障害では、寂しい気持ちが強いがゆえにしてしまいがちな行動がいくつかあります。
「寂しさを解消したい」「愛されたい」という感情が強ければ強いほど、その感情に支配されて行動してしまうのです。
寂しい気持ちからしてしまう行動ゆえに、パートナーや友人、家族など本来親しくなれるはずの周りの人たちとの関係が破綻してしまうこともあります。
また、親しい関係を築けなかったという経験を積み重ねていくと、さらに寂しい気持ちが強くなるという悪循環が起きてしまいます。
大人の愛着障害で寂しさからしてしまいがちな行動とは、どのようなことでしょうか。
愛情を確かめる行動を取る
大人の愛着障害では、自分は愛されていると感じることが難しく、愛情を受けているのに安心できないという特徴があります。
また「今は愛してくれていても、いつか見捨てられるんじゃないか」という、見捨てられ不安を抱えてしまうのも大人の愛着障害の特徴です。
大人の愛着障害ゆえの不安が大きくなると、パートナーや友人に対して、愛されているか試したいという願望が出てしまい、相手の愛情を試すような極端な行動をとってしまいます。
はじめは答えてくれていた相手の人も、何度も試すような行動をされると「いつまでたっても信頼してくれない…」と感じ、離れてしまう原因になるかもしれません。
適切な距離感が分からない
人との距離感が分からず、依存し過ぎたり拒絶したりと、極端な行動をとってしまう人もいます。
愛情が欲しいという強い思いがある愛着障害は、かまってもらうことで愛を実感したり、必要とされることで安心したりする傾向があり、常に相手と一緒にいたいと依存的になりがちです。
その一方で、相手に見捨てられるのでは…という不安が強くなると、「傷つく前に自分から離れたい!」と、相手を拒絶したり攻撃したりしてしまいます。
また、自分が思っているように相手が受け入れてくれていないときも「裏切られた!」とショックを受け、強い怒りを感じて相手を拒絶してしまう場合があります。
本音で話せない
愛着障害は、相手から嫌われたくないという思いが強いがゆえに本音を話せず、自分の気持ちを抑制してしまうこともあります。
いつも相手の顔色をうかがったり、なんでも相手に合わせようとしたりしてしまうのです。
自分の本当の気持ちを話せないことで、相手と深いつながりが持てず、寂しい気持ちを抱えてしまうことも、大人の愛着障害の特徴です。
寂しい気持ちをコントロールするために

大人の愛着障害で寂しい気持ちを抱え、寂しさから行動してしまうとしても、寂しい気持ちをコントロールできるよう、改善していくことができます。
寂しい気持ちをどのようにコントロールできるかお伝えします。
大人の愛着障害ゆえの感情だと理解する
まず、自分が寂しい気持ちを抱えてしまう理由を理解しましょう。
「人と上手に関われないのは自分が悪いからだ」「自分なんて価値がないから愛されないんだ」と考えてしまうと、感情をコントロールするのが余計に難しくなります。
寂しい気持ちや寂しさゆえの行動は、愛着が形成できなかったゆえの愛着障害の症状なんだと正しく理解しましょう。
大人の愛着障害で抱えてしまう感情だと理解できるようになると、自分が愛されていなかったわけではないこと、むしろたくさん愛情をもらっていたことに気付くことができます。
思考パターンを変える
寂しい気持ちが大きくなると、ネガティブな思考パターンになり、不安や怒りがつのって行動へと移してしまいます。
大人の愛着障害ゆえの寂しさから、行動に移してしまうときの考え方を変えるよう意識しましょう。
「相手が自分から離れてしまうかもしれない」という不安や「自分のことを分かってくれない」という怒りはとても強い感情です。
不安や怒りを感じたとき、一度冷静になって「自分が考えていることは本当のこと?」「大人の愛着障害でそう考えてしまうだけ?」と考えてください。
「愛着障害ゆえの思考パターンになっている」と考えられるようになると、寂しい感情から移す行動をセーブしやすくなります。
安心できる居場所をつくる
寂しさをコントロールするだけでなく、愛着障害を克服していくためには、安心していられる場所やなんでも話せる人など、安心できる居場所を作ることも大切です。
自分のことを受け入れてくれる、心の拠り所となるような「安全基地」をもてると、愛着障害によって消えない寂しさも、少しずつなくなっていくでしょう。
大人になってから、安心できる居場所をつくるために、感情をコントロールしながら友人やパートナーなど、周りの人と信頼できる関係を築いていくことができます。
周りに信頼できる人がいないという方は、臨時の安全基地として、カウンセリングなどを通して専門家の助けを借りてください。
カウンセリングを通して自分の状況を理解して、人に頼る経験を積み重ねることで、周りの人との関係を築くことにもつながっていきます。
大人の愛着障害に悩んだときはカウンセリングへ
大人の愛着障害では、人とつながりたいと願いながら、上手に人と関われないことで、寂しい気持ちを抱えてしまうことがあります。
寂しい気持ちから生じる不安や怒りをぶつけてしまうことも、周りの人と深いつながりを持ちにくい原因になっているかもしれません。
愛着障害による思考パターンを少しずつ変えていくよう意識することで、寂しい気持ちもコントロールすることができます。
まず専門家に話してみることも、安心できる居場所をつくり、愛着障害を改善していくための一歩となります。
当カウンセリングルームでは、愛着障害、パーソナリティー障害、HSP、不安障害、うつ病などを対象としたオンラインカウンセリングを実施しております。
大人の愛着障害による寂しさや人との関わり方でお悩みの方は、ぜひお気楽にご相談ください。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。