大人の愛着障害と発達障害は似ている?それぞれの特徴と違いを解説
大人の愛着障害と発達障害の症状・特徴は、よく似ていると言われています。
愛着障害による行動・特徴は、発達障害と共通する部分があるため、誤った診断をされることも少なくありません。
そこで今回は、大人の愛着障害と発達障害の特徴、共通点や相違点についてお伝えしていきます。

大人の愛着障害・発達障害の特徴
大人の愛着障害と発達障害は、共通する特徴・困りごとが多く見られます。
ここでは、それぞれの特徴をいくつか紹介していきますので、参考にご覧ください。
大人の愛着障害の特徴
幼少期に愛着がうまく形成されず適切な治療を受けられなかった方や、愛着障害に気がつかないまま大人になった方は、下記のような特徴を持っています。
情緒面における特徴
・怒りをコントロールできず、落ち着いて話し合えない
・ちょっとしたことで傷つきやすい
・100か0という極端な思考になりがちで、融通がきかない
・過去の失敗をいつまでも引きずる
対人関係における特徴
・人との距離感をうまく取れず、人間関係でトラブルを抱えやすい
・養育者との関係が悪く、恨みを持っている
・必要以上に人の顔色をうかがう
・パートナーや自分の子どもをどう愛せばよいのかわからない
アイデンティティの確立における特徴
・自尊心や自己肯定感が低い
・自分自身で決断することが苦手
・自分の選択に自信を持てない

発達障害の特徴
発達障害には大きく分けて「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠如・多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」があります。
この3種類のうちいくつかの傾向が併発することもあるため、症状の個人差はとても大きくなるのです。
自閉症スペクトラム障害(ASD)
・場の空気を読むことが苦手
・柔軟性に欠けるため、臨機応変な対応をとるのが難しい
・暗黙のルールがわからない
・人との距離をうまく取れず、人間関係でトラブルを抱えやすい
・冗談やあいまいな表現が伝わらない
・生活パターンに強いこだわりを持っている
注意欠如・多動性障害(ADHD)
・ケアレスミスが多い
・気が散りやすく物事に集中するのが苦手
・興味のあることや好きなことには集中しすぎてしまう
・整理整頓が苦手
・物事の優先順位がわからない
・じっとすることが苦手
・怒りをコントロールできず、落ち着いて話し合えない
・衝動的な言動をとる
・人の話に割り込んでしまう
学習障害(LD)
・単語のまとまりが認識できず、一文字ずつ読む
・文字の形をとらえるのが苦手
・読んでいる場所がわからなくなって、文章を読み飛ばす
・文字の大きさや形を整えるのが苦手
・暗算や九九ができない

大人の愛着障害・発達障害の原因
愛着障害と発達障害は症状がよく似ていると言われていますが、このふたつの原因は異なるところにあります。
大人の愛着障害の原因
愛着障害は、乳幼児期に養育者などの特定の人と、愛着がしっかり形成されなかったことによって引き起こされるものです。
虐待や厳格なしつけ、兄弟との差別など、さまざまなことが原因としてあげられます。
一見問題を抱えていないように見えても、気がつかないうちに愛着障害を抱えていて、大人になってから日常生活・対人関係などで悩んでしまう方も少なくありません。

発達障害の原因
発達障害は、先天的に脳の一部の機能に障害があることが原因とされている生まれ持った特性です。
発達障害を引き起こすメカニズムは、まだはっきりと解明されていない部分も多いのですが、養育者の育て方や本人の努力不足が原因ではありません。
大人の愛着障害と発達障害の違い
愛着障害と発達障害は、人との距離感をうまく取れない、怒りのコントロールができない、融通がきかないなどの共通点があり、どちらも人間関係での困りごとを多く抱えています。
反対に異なる点としてあげられるのは、以下の通りです。
障害の原因
愛着障害は育った環境が影響する後天的なもので、発達障害は先天的な脳の機能障害によってなるものです。
対人場面の違いによる特徴の現れ方
どちらも人との距離感の取り方に課題を抱えていますが、愛着障害の方は対人場面のちがいによって特徴が現れたり、現れなかったりします。
たとえば、親しい友人と2人きりで話す際は問題がなくても、そこにもう1人加わって友人が他の人と仲良くしている場面を見ると、疎外感を感じて情緒が不安定になってしまいます。
そして「傷つく前に自分から拒絶しよう」と考えて距離をとってしまうこともあるのです。
一方、発達障害の方は他者との関係性の障害ではないため、集団か1対1かによっての違いは見られません。
発達障害の二次障害で愛着障害を抱えることもある
発達障害は先天的、愛着障害は後天的になるものだとお伝えしましたが、中にはどちらも併せ持っている方もいます。
生まれつき発達障害を持っていたことによって、二次障害で愛着障害も抱えるケース。
愛着障害を抱えていると思っていたけれども、実は発達障害だったといったケースなど。
また、愛着障害の症状によって仕事や人間関係で悩みが生まれ、うつ病、不安障害、自律神経失調症など別の病気を引き起こす可能性もあります。
治療のスタートが遅れることで症状が深刻化するのを避けるためにも、早めに専門機関で診断・適切な治療を受けることが大切です。

大人の愛着障害か発達障害か悩んだときにはカウンセリングへ
大人の愛着障害と発達障害は共通する特徴が多く、専門家でも見分けが難しいです。
そのため、専門家を頼って状況に合ったサポートを受けることが、生きづらさを改善するための近道です。
当カウンセリングルームでは、愛着障害を対象としたカウンセリングを行っておりますので「大人の愛着障害なのかな?」と悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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※初回はオンラインでカウンセリングを行っています。Zoom・Skype・Line通話でのカウンセリングが可能です。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。