強迫性障害になると働けない?仕事への影響や治療について

強迫性障害を抱えていて「仕事がつらい」「もう自分は働けないのではないか…」と悩んだことはありませんか?
強迫観念と強迫行為は何度も繰り返されるため、仕事に支障をきたすことも珍しいことではありません。
しかし、症状とうまく付き合うことができれば、強迫性障害であっても仕事を続けることは可能です。
そこで今回は、強迫性障害が与える仕事への影響、仕事と治療の両立についてお伝えしていきます。
職場で生きづらさを感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
強迫性障害の症状とは
強い不安や恐怖心が頭から離れず、それらを振り払おうと何度も同じ行動を繰り返す強迫性障害。
その症状は人によって異なり、日常生活での困りごともさまざまですが、代表的な強迫観念・強迫行為は次のようなものがあげられます。
① 不潔恐怖と洗浄
例:細菌や汚れがついているのではないかと不安で、何度も手洗いや入浴を繰り返す。
② 加害恐怖
例:自分が周囲の人に危害を加えてしまうのではないかと、強い不安に襲われる。
③ 確認行為
例:ガス栓や電気などを消し忘れているのではないかと、何度も確認する。
④ 儀式行為
例:自分が決めた手順で物事を行わなければ、悪いことが起こると考えて、なんでも同じ手順で進める。
⑤ 数字へのこだわり
例:不吉な数字を極端に嫌い、幸運な数字にこだわりを持つ。
⑥ 物の配置や対称性へのこだわり
例:物の配置や対称性にこだわりがあり、ずれていると不安になる。
強迫性障害による仕事への影響

強迫性障害を発症すると、何度も強迫行為を繰り返すため、仕事に影響がでることもあります。
現れる症状が確認行為であれば、「書類にミスがないか不安でチェックを繰り返して、仕事が遅くなってしまう」「鍵閉めを任されたけど、本当に閉まっているか不安で帰れない」など。
儀式行為であれば、「どんなに忙しくてもこだわりの手順で進めるために、必要以上に時間をかける」「自分で決めた手順で仕事ができないと不安でしょうがない」などの影響がでてくるでしょう。
職場で強迫性障害に対する理解が得られれば、働きやすくするための工夫をできるかもしれませんが、理解が得られない場合は“心配性”“頑固な人”と捉えられて、仕事を続けることが困難になってしまうかもしれません。
強迫性障害の治療と仕事の両立は可能
強迫性障害の症状が重く仕事への影響が大きい場合は、心身ともに疲れきってしまうため、療養を最優先させて休職する方が良いこともあります。
しかし、強迫性障害は適切な治療を受ければ、症状を改善できる病気なので、働きながら心理療法や薬物療法を受けることも可能です。
つらい思いをしながらも我慢していると、さらに症状が悪化して治療に時間を要したり、改善が難しくなったりすることも考えられます。
また、うつ病やパニック障害など他の病気を併発するリスクもあるため、「自分は強迫性障害なのかもしれない」「強迫性障害で働きにくくなった」と感じている方は、すぐに専門家を受診しましょう。
強迫性障害の治療と仕事の両立に大切なこと

程度にもよりますが、強迫性障害の治療を受けながら働くことは可能です。
しかし、無理をしてしまうと症状が悪化することもあるため、下記のポイントを意識しましょう。
- 職場の人の理解を得る
強迫性障害は自分から伝えなければ、性格や気質だと勘違いされてしまうことがあります。
すべての人に理解してもらうのは難しいことですが、上司や同僚に症状を伝えることで仕事をしやすくするための工夫ができるかもしれません。
- 生活リズムを整える
強迫性障害は不規則な生活を送っていると、症状が悪化すると言われています。
十分な睡眠、栄養バランスの整った食事、適度な運動で健康的な生活を送ることが大切です。
- ときには休む勇気を持つ
強迫性障害を抱える方は、まじめで責任感の強い方も多く見られるため、心身の不調があってもなんとか出勤しようとするかもしれません。
しかし、無理をするとかえって症状を悪化させることになり、回復にも時間を要する可能性があります。
調子が優れないときには、勇気を持って休みましょう。
- 自己判断で治療を中止しない
調子が良くなってきたからといって、自己判断で服用を中止したり、通院をやめたりすると、再発して症状がこれまでよりも重くなってしまうことがあります。
強迫性障害は治療を続けることで、症状の改善を目指す病気です。
仕事をしていると通院時間を確保しづらいかもしれませんが、専門家の指示やアドバイスに従うようにしましょう。
強迫性障害で“働けない”と悩んだときには専門家へ
強迫性障害の症状が重くなると「もう働けないのではないか…」「仕事に行くのがつらい」と悩むこともあるかもしれません。
そんなときには、まず専門家に今の状況を相談してみてください。
日本には強迫性障害による症状を“自分の性格”だと思い込んで、治療を受けずに我慢している方もいます。
強迫性障害は性格ではなく疾患であって、適切な治療を受ければ症状を改善できるものです。
治療を受けながら働くことも可能ですので、不安を感じている方は一度カウンセリングを検討してみてください。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。