回避型愛着スタイルのパートナーとの関係を良好に保つ5つのヒント

パートナーが回避型愛着スタイルの場合、ときに親密な関係や情緒的なやり取りを避けるため、関係を維持することに難しさを感じるかもしれません。
「本当はもっと一緒にいたいのに、距離を置かれてしまう」
「喧嘩をしてしまったときは、話し合いたいのに、連絡がこなくなる」
「何か考えていそうだけど言葉にしてくれず、不安になる」
といったことも多いのではないでしょうか?
この記事では、不安になっても回避型のパートナーと関係が崩れないコミュニケーションの取り方をご紹介します。
回避型愛着スタイルの特徴を理解し、適切なアプローチ方法を知ることで、お互いが安心できる関係性を築くことができるでしょう。
目次
愛着スタイルとは
愛着スタイルとは、人との接し方の特徴を愛着の観点から分類したもので、安定型と不安定型に分けられます。そして、不安定型には、「不安型(とらわれ型)」「回避型(愛着軽視型)」「未解決型(恐れ・回避型)」の3つがあります。
不安型と回避型の組み合わせは、問題への対処法の違いから、お互いに行き違いや不安を感じてしまうこともあるかもしれません。
不安型の人は、パートナーとの関係性に不安を感じやすく、調子が悪いときに何度も確認を求めたり、強い依存心を示すことで対処する傾向があります。
その一方で、回避型の人は、情緒的なやり取りが苦手なため、親密な関係を避け、一人で問題に対処しようとします。
2つのタイプが組み合わさると、不安型の人は回避型の人に近づこうとしますが、回避型はそれを避けようとするため、関係性に悩むことが多いのです。
回避型愛着スタイルの特徴
回避型愛着スタイルの人は、心理的な負担が大きくなると、以下のような行動をとりがちになります。
・自分を守るために距離をおく
・問題について話すことを避ける
・極端な思考、結論に陥る(例えば、話しても解決しない、一人でいた方が良いなど)
回避型の人は、自分の感情を感じるのが苦手で、不安や怒りといった感情を経験すると、混乱を避けるために距離を置くことが多いのです。
決して、あなたが嫌いになったから、もう別れたいからと思い距離を置いているのではありません。
冷たく感じる対応は彼なりの対処法なんだ、といったように、お互いの特徴を理解することで、回避型のパートナーとの衝突、すれ違いを減らすことができるでしょう。
回避型愛着スタイルを持つパートナーとの関係を良好に保つ5つのヒント
不安型と回避型の組み合わせが必ずしもいけないというわけではありません。愛着スタイルはあくまで二人の関係性の一要因に過ぎず、それ以上に、人間性、好み、価値観など大切な要因がたくさんあります。
ここからは回避型のパートナーと良好な関係を保てる5つのヒントをご紹介します。

1. 不安が高まるきっかけ(トリガー)を把握する
嫌われてしまったかも?と不安になるとき、いつも同じことがきっかけはありませんか?
不安が高まるきっかけを理解することで、冷静に客観的な視点からコミュニケーションがとりやすくなります。
- LINEの既読がつかない
- 今日はなんだか楽しくなさそう
- 予定を断られた
- 他の人と楽しく話していた
いつもと違う相手の態度に敏感になるのは自然なことです。
しかし、相手の変化に心当たりがないなら、その原因はあなた以外にあるかもしれません。
不安になりはじめるきっかけに気づくことで、今、相手とどのような接し方をすればよいのか、不安という感情に流されずに、あなたらしさを保った対応を取りやすくなるでしょう。
2.自分の本当の気持ちに気づき、認める
極度の不安、孤独感に襲われたときは、まずはその気持ちに気づき、認めてあげることが大切です。
状況によってはつらすぎるかもしれませんが、不安は、無理に消そうとすればするほど、強くなる性質があります。
極度の不安、悲しみ、孤独感は、がんばり過ぎのサインかもしれません。
不安の背景に、「本当はこうしてほしい」「もっと話したい」「愛されているかわからない」といった気持ちはないでしょうか?
自分の気持ちに気づいてあげると、不安に捉われずに済みます。
また、今とは違った客観的な視点にも気づくことができるでしょう。
3.我慢していることは、ため込まずにやさしい言葉で伝える
嫌な気持ち、我慢していることなどをため込まずに、少しずつ言葉にして伝えると、パートナーもあなたの気持ちに気づきやすくなります。
回避型の人は、情緒的なやり取りが苦手なので、あなたの気持ちを言語化することが重要となります。
「もう少し会えるとうれしい」といった率直な表現を使うことで、パートナーも理解しやすくなるでしょう。
感情的になりすぎないよう、柔らかい言葉を選ぶことが大切です。
やさしく、穏やかな口調で話すことで、パートナーも安心して耳を傾けられるようになります。
4.パートナーの行為に肯定的な意図を想定する
パートナーが感情的に引っ込んだり、黙ってしまったりしても、それは意図的、悪意からではなく、過去の精神的苦痛から身を守るための対処かもしれません。
相手の肯定的な意図を想定することで、冷静さを保った建設的なコミュニケーションが可能になります。
回避型の人は、過去のトラウマから、距離を置いて自分を守ろうとする傾向があります。
パートナーの行動の裏にある隠れた一面を想像することで批判的にならずに済むでしょう。
例えば、「私を嫌っているのかな」と考えるのではなく、「今は一人になりたいのかもしれない」と想定することで、パートナーの気持ちを尊重し、お互いの衝突を防ぐことができます。
5.批判ではなく、自分の気持ちを伝える
批判されたと感じると、回避型の人は距離を置き、様子をうかがう対応をとるでしょう。
しかし、あなたの気持ちを伝えることで、パートナーも耳を傾けてくれるかもしれません。
「いい加減にしてよ」「なんで無視したの」といった言い方はなるべく避けて、
「会えなくて寂しい」「返信をくれてうれしい」「家事が大変で疲れた」など自分の状態を言葉にして、間接的にパートナーにしてほしいことを伝えることがおすすめです。
あなた視点で気持ちを伝えることで、パートナーも共感し、言葉の意図に気がつきやすくなります。
回避型といっても、好きな人からの気持ち、思いを聞けるのはうれしいものです。
我慢の限界で、自分がつぶれてしまうというようなときは、批判的になってしまうこともあるでしょう。
ですが、そんなときにこそ、自分のメッセージとして、本当の気持ちを伝えてみてください。
6.感情的サポートを道具的なサポートに置き換える
回避型の人は、感情的なサポートよりも、実践的な支援や問題解決などの道具的なサポートを好む傾向があります。状況に応じて、例えば、パートナーが仕事で大変な時は、労いの言葉をかけるだけでなく、家事を手伝ったり、マッサージをしたりするなど、具体的な行動で支援するとパートナーもうれしい気持ちになるかもしれません。
おわりに
回避型愛着スタイルと不安型愛着スタイルの組み合わせは、ときに苦労を伴うかもしれません。
しかしお互いの気持ちを尊重し、双方にとってよい距離感で折り合いをつけることで、お互いが安心して過ごせるようになるでしょう。
パートナーの行動の意図を想定し、不安に捉われている自分に気づき、肯定的な見方をすることが大切です。また、自分の気持ちにも注意を払い、不安やストレスをコントロールすることも忘れないようにしてください。
回避型愛着スタイルのパートナーとの関係は、すぐには改善されないかもしれません。しかし、諦めずに理解し合おうとする姿勢を持ち続けることで、少しずつ小さなトラブルや衝突が減っていきます。お互いに安心できる関係性を目指して、コミュニケーションを大切にしていきましょう。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。