強迫性障害を放置するとどうなる?起こり得るリスクを解説
強迫性障害(強迫症)とは、強い不安・恐怖感が頭から離れず(強迫観念)、それをどうにか消そうと何らかの行動を繰り返す(強迫行為)病気のこと。
自分でもどうかしていると思っていても強迫行為がやめられず、何度も何度も繰り返して日常生活に支障がでることもあります。
そんな強迫性障害を放置していると、どうなるのかと心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、強迫性障害の症状を放置して起こり得ることを紹介していきます。

目次
強迫性障害の症状
強迫性障害を発症するとさまざまな症状が現れます。
ここでは結びつきやすい強迫観念と強迫行為から、代表的な症状をお伝えしていきますので、当てはまるものがないか一度チェックしてみてください。
① 不潔恐怖と洗浄
・手の汚れや細菌が気になって過剰に手洗いする
・細菌が気になって他人に触れるのがこわい
・手が汚れるのがこわくて床に落ちたものを拾えない
・外に出た後は入浴と洗濯を何度も繰り返す

② 加害恐怖
・周囲の人にケガをさせるのではないかと不安になる
・ナイフや包丁で人を傷つけそうで持つのがこわい
・車に乗ると誰かひいたのではないかと不安で、何度も降りて確認する
・スーパーやコンビニに行くと、いつの間にか万引きしたのではないかと不安になる
・自分が事故・事件を起こしたのではないかと心配で、警察や周囲の人に確認する

③ 確認行為
・戸締り、ガス栓を過剰に気にして、何度も確認する
・確認を繰り返していることで、その場から長時間離れられない
・何度確認しても「ミスしていたかも…」と考えて確認し直す
・指さし、じっと見張る、声に出す、手で触るなどの確認をしても安心できない

④ 儀式行為
・自分で決めた手順で物事を進められなければ、恐ろしいことが起こると考える
・どんなときでも自分で決めた方法で作業を進めたい
・物事の順序にこだわりすぎて、臨機応変に対応できない
⑤ 数字へのこだわり
・「4」「9」などの不吉な数字を極端に嫌がる
・車のナンバーで幸運な数字を見るまで家に帰れない
・なにか作業するときには、こだわりの数字の回数繰り返す

⑥ 物の配置・対称性などへのこだわり
・棚や机の上にある物の配置が少しでもずれていると気になる
・周囲のものが対称になっていないと不安になる
・どんなに時間がなくてもこだわりの配置にしないと気が済まない

強迫性障害を放置するとどうなる?
強迫性障害の症状で悩んではいるものの、病院に行くことが不安で放置しているという方もゼロではありません。
カウンセリングや心理療法を受けたことがない方だと特に、受診するのは勇気が必要かと思いますが、放置すると下記のような状況になってしまう可能性があるため要注意です。
日常生活に支障がでる
強迫性障害を放置していると症状が悪化して、日常生活に支障がでるようになります。
何度も確認を繰り返して作業をうまく進められなくなったり、外出時にカギを閉めたかが不安で何度も確認しているうちに予定に遅刻したりするようになると、仕事でもプライベートでも影響がでるでしょう。
他者を巻き込むようになる
症状がひどくなると他者を巻き込んで強迫行為を行うようになります。
たとえば、自分だけの確認では不安だから一緒に確認してほしいと職場の人にお願いしたり、自分が事故・事件を起こしていないかと家族や警察に確認したりするといったケースがあります。
こういった状態になると自分自身のエネルギーが奪われるだけでなく、周囲の人も疲弊してしまうでしょう。

うつ病・睡眠障害などの併発
強迫性障害は、うつ病や睡眠障害など他の病気を併発することがあります。
中でもうつ病は、強迫性障害患者の約3分の1が併発すると言われているため、ストレスの蓄積に注意しなければなりません。
放置していると、他の病気を併発していることにもなかなか気づけなくなってしまうでしょう。

治療に時間がかかるようになる
症状を放置していたことで深刻化すると、発症してすぐの頃よりも治療に時間がかかるようになります。
もともと強迫性障害は、治療を受ければすぐに治る病気ではなく、どの治療方法が合うのか計画を立てて改善を目指していくものです。
そのため、症状がひどくなった状態からスタートすると、その分治療期間も要することになるでしょう。
また、治療途中に自己判断でカウンセリングに通うことをやめたり、薬を飲まなくなったりすると症状が再発することもあるため注意が必要です。
強迫性障害は放置せず、適切な治療を早めに受けることが大切
強迫性障害の症状でつらい思いをしながらも、専門機関に行くことが不安で放置してしまうことがあるかもしれません。
しかし、適切な治療を受けずにいると症状が深刻化してしまうため、生きづらさを感じたら早めに受診することが大切です。
「強迫性障害なのかもしれない」と不安に思った時点で、早めに専門家へ相談することで治療期間が短くなる可能性もあります。
今回お伝えした強迫性障害の症状を見ていて、「自分も同じ症状で悩んでいる」という方は、ぜひ一度カウンセリングを受けてみましょう。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。