強迫性障害で記憶に自信がない…理由と対処法について
「ガス栓を閉めたかな?」「家のカギを閉め忘れたかも…」というように、記憶に自信がなくなって不安がよぎるのは、誰にでもあることです。
しかし、確認のために長時間を費やしたり、日常生活に支障がでたりする場合は、“強迫性障害”なのかもしれません。
そこで今回は、強迫性障害で“記憶に自信がない”と感じる理由と対処法についてお伝えしていきます。
日常的に何度も繰り返し確認作業をしている方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次
強迫性障害の方は記憶に自信がない?
「帰ってきたときにカギを閉めたかな?」「家を出るときに電気を消したかな?」と不安になることは、誰もが経験のあることですよね。
こういったとき、時間があれば家に戻ったり、時間がなければ「大丈夫、閉めたはず」と自分に言い聞かせて出かけたりすることが多いかと思います。
しかし、強迫性障害の方は一度疑問がでてくると不安な気持ちでいっぱいになり、「遅刻してでも家に戻って確認したい」と考えて、確認作業を何度も何度も繰り返してしまうのです。
“記憶に自信がない”ということ自体は誰にでもよく起こることではありますが、その後にどのような考え・行動になるのかで違いが現れるでしょう。

強迫性障害で記憶に自信がない理由とは
どうしても自分の記憶に自信が持てず、「もう一度確認しなければ…」「やっぱり間違えていたのかも…」と強い不安を抱くのは、強迫性障害による症状のひとつです。
この“記憶に自信がない”というのにも理由があるため、症状が改善すればひとつのことを過剰に気にすることなく過ごせるようにもなります。
記憶に自信がない理由①:確認を繰り返すほど短期記憶に自信がなくなる
強迫性障害の方は、ミスをしていないかと不安を感じる場面で何度も繰り返し確認作業をします。
指差し、声に出す、触る、じっと見つめるなど、さまざまな方法で確認するのが特徴です。
しかし、人は確認を繰り返せば繰り返すほど、短期記憶に自信がなくなる傾向があります。
そのため、一度だけ確認したときよりも、何十回も繰り返し確認した時の方が「何回目のときが正しかったのか?」「じっと見ているうちによくわからなくなったのではないか?」と感じてしまうのです。
記憶に自信がない理由②:記銘力が低下する
強迫性障害を発症すると、「記銘力」という新しいことを覚えるための力が低下することがあります。
たとえば「さっき何を話していたか覚えていない」「何を買おうとしていたか忘れた」というように、直近での出来事を思い出せないということが起こるのです。
強迫性障害は記憶力全体に影響を与えるわけではなく、記銘力が低下している状態なので、過去に関することは問題なく思い出せるケースが多いです。
記憶に自信がない方の対処法
強迫性障害によって記憶に自信が持てない方は、下記の対処法を試してみるのもよいでしょう。
対処法①:確認作業は丁寧に1度、最大でも2度まで
確認はゆっくりと丁寧に1度行うことが理想で、もし再確認するとしても最大で2度までを意識してみましょう。
先述の通り、繰り返し何度も確認するとかえって記憶に自信が持てなくなります。
また、強迫性障害による不安は、何度も何度も繰り返し確認したからと言って、完全に拭えるわけではありません。
時間が経つと「本当にミスしていないかな?」と不安が強くなってしまうこともあるため、確認回数にこだわるのではなく、丁寧に1度確認することが大切です。
1度の確認作業で問題なく物事を進められれば、その成功体験が自信となって症状の改善にもつながっていくでしょう。

対処法②:専門家に相談する
「これは自分の性格だからひとりで解決しよう」「強迫性障害は自力で治せる」というように悩みを抱え込んでしまうのはよくありません。
治療が遅れて症状がひどくなると、外出前の確認作業で遅刻するようになったり、外に出られないようになったり、日常生活に支障がでてしまうことも考えられます。
そういった事態を避けるためにも、自身の状況や悩みを専門家に相談してみましょう。
カウンセリングや心理療法などの適切な治療を受けることで、“記憶に自信がない”という強い不安も改善される可能性があります。

強迫性障害の“記憶に自信がない”は改善できる
記憶に自信がないことは強迫性障害の方だけでなく、多くの方が経験することです。
しかし、強迫性障害になると、その症状から他の人よりも記憶に自信が持てず、強い不安を感じます。
この不安を解消しようと確認作業を繰り返していても不安は拭えず、生きづらさを感じることもあるでしょう。
強迫性障害の症状を改善するためには、自分の症状をよく理解し、適切な治療を受ける必要があります。
まずは専門家に状況や症状を相談し、強迫性障害と向き合っていきましょう。
当カウンセリングルームでは、強迫性障害の方を対象としたカウンセリングを実施しております。
記憶に自信がないことや強迫行為でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。