強迫性障害は部屋が汚い?考えられる他の病気と対処法

片付けられていない部屋を見ると、「怠けている」「だらしない」といった印象をもたれることも多いでしょう。
しかし、本人は片付けようと努力していても、強迫性障害などの病気が原因で部屋が汚くなってしまうこともあるのです。
今回の記事では、強迫性障害によって部屋が汚くなる理由と対処法についてお伝えしていきます。
目次
強迫性障害のせいで部屋が汚い?
強迫性障害を抱える人の中には、強迫観念というさまざまな不安や恐怖心が理由となって、片付けが苦手な人もいます。
部屋が汚い原因は、必ずしも強迫性障害にあるとは言えませんが、下記のようなことが要因となるケースもあるでしょう。
不安でゴミを捨てられない
強迫性障害の症状の中でも、特に確認行為が多く見られる方は、ゴミを捨てることに不安を抱きやすいでしょう。
「本当にこの書類は捨てていいものなのか」「捨てた後で必要になるのでは?」などの不安が大きく、間違って必要なものを捨てるのではないかと自分を信じられません。
そういった強迫観念によってゴミを捨てられなくなり、ゴミ屋敷を作り出してしまうこともあるのです。
強迫行為に時間が取られて片付けられない
日々の強迫行為によって、自由な時間がなくなってしまい、部屋を片付ける余裕がないという方もいます。
たとえば、不潔恐怖によって帰宅後は、着ていた服をすぐに洗濯したり、身につけていた物を徹底的に消毒したりする人がいます。
ここまで汚れや菌を嫌がる人であれば、部屋も片付いているイメージをするかもしれませんが、特定の汚れに執着することで時間を取られ、自宅の掃除は行き届いていないケースもあるのです。
部屋が汚いのは他の病気のせいかも?

部屋が汚くなる原因として考えられる病気は、強迫性障害だけではありません。
他の病気・障害が原因となっている、もしくは併発していることで、うまく片付けられないという可能性も考えられます。
下記の病気・障害は一例ではありますが、それぞれがなぜ部屋を汚くしてしまうのか、その理由も含めて見ていきましょう。
うつ病
抑うつ状態になって、疲れやすく眠れないなどの症状が現れるうつ病。
さまざまな意欲がなくなるため、部屋の片づけができない、身だしなみを整えられないといった症状もでます。
ひとり暮らしの場合は特に、ゴミを捨てることも難しくなるので、気がついたらゴミ屋敷になっていたなんてことも。
注意欠如・多動症(ADHD)
注意を持続することが難しく、順序立てて行動することが苦手なADHDは、発達障害の一種です。
掃除をしようと思っていても途中で他のことに意識がいったり、どこから手をつければよいのかわからなくなったりするため、片付けに苦手意識のある方は多いでしょう。
統合失調症
考えや気持ちがまとまらず、幻覚や妄想などの症状が現れる統合失調症。
この症状により、ゴミや物をため込むのが正しいことだと認識して、部屋を片付けられなくなってしまうことがあります。
認知症
認知症になると脳の機能が低下し、記憶障害や注意障害などに悩まされます。
症状が進むと物事を判断する力も低下するため、ゴミをゴミとして認識できなかったり、片付けがどういうことなのかわからなくなったりすることも。
周囲の手助けがなければ、ゴミ屋敷となってしまうケースもあります。
強迫性障害の方が汚い部屋から抜け出すためには

片付けようと思っていても、うまく片付けられず、部屋が汚くなってしまうという場合は、根本的な原因を探って対処していく必要があります。
「強迫性障害が原因になっているのかも…」と感じている方は、下記を参考にしてみてください。
適切な治療を受ける
部屋が汚くなっている原因が、強迫性障害を含む病気なのであれば、まず専門機関で適切な治療を受けましょう。
医師やカウンセラーのアドバイスをきくことで、部屋を片付けられるようになることもあります。
受診が遅れると、症状が進んで治療が困難になってしまうこともあるため、早めに相談してみましょう。
周囲の人に頼る
強迫性障害を抱える方は、完璧主義で自分を追い詰めてしまいがちです。
そのため、「部屋が汚いことを人に相談するなんて…」「自分でどうにかしないとダメだ」と考えるかもしれませんが、前に進むために誰かを頼るのは悪いことではありません。
家族や友人、恋人などの信頼できる人に手伝ってもらいながらでも、部屋を片付けられたら気持ちも少しすっきりするのではないでしょうか。
強迫性障害を治して「部屋が汚い」という悩みの解消へ
性格的に整理整頓が苦手で部屋が汚くなってしまう人もいますが、中には強迫性障害の症状が影響して片付けられない人もいます。
部屋が汚いのは、恥ずかしいことでも悪いことでもありません。
「片付けたい、部屋を綺麗にしたい」と悩んでいるのであればひとりで抱え込むのではなく、少し勇気を出して周囲の人や専門家に頼ってみましょう。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。